第10回:ツナ缶の原材料のマグロはどんなマグロ?(1)

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 今回は、ツナ缶の原材料マグロについて簡単にまとめてみました。

 このサイトでは海外産のツナ缶をよく取り上げますが、製造地が海外であっても、ツナの原料となるマグロは回遊魚なので、汚染地域を泳いだマグロを使っていないか心配、という人も多いと思います。

 ただ、今食べているマグロがどこを泳いでいたのかは正確にはわかりませんから、完全を期すならツナは食べられなくなります。ただ、それですとキリがないので、明らかに日本の汚染地域付近で獲れたものでなければよしとする考え方もあるかもしれません。

 では、実際はどうなのでしょうか。ツナ缶になるマグロはどこを泳いでいるのでしょうか。

 その前に、ツナ缶になるマグロが何か?というところから話をすると、ほとんどがキハダマグロ、続いてビンナガマグロ(ビンチョウともいいます)です。大手メーカーのほとんどはキハダのツナ缶です。

 そして、マグロは大回遊するイメージがありますが、マグロの種類によって回遊地域や回遊範囲は異なります。

 実はキハダ、ビンナガは、刺身の代表のクロマグロやミナミマグロほどは回遊範囲やルートがあまりよく知られておらず、まだおおよそのことしかわかっていません。したがって、そのわかっている範囲で選ばないといけません。

 現時点でだいたいわかっている話をまとめると次のようになります。

 まずは、ツナ缶で最も多いキハダマグロから。

<キハダマグロ>

 キハダマグロは熱帯性のマグロで、マグロの中では大きさは中型。180cm、120kgくらいです。肌が黄色で黄肌(きはだ)マグロと呼ばれているのだそうです。

 熱帯性のマグロということですが、分布域はかなり広く、地中海を除く世界の温帯、熱帯海域に生息しています。
 おおよその分布域は北緯40 度から南緯40度まで。かなり広いですね。
 日本付近ですと、北海道より南になります。夏に日本の沿岸部に来るものもありますが、数は少ないようです。日本海にもいないようです。

 比較的高温を好むマグロなので、太平洋、インド洋では赤道付近に多く見られるそうです。また、産卵域は分布域よりも赤道よりになり、北緯25度から南緯20度くらいになります。

 メバチマグロとほぼ同じ海域に分布していて、キハダは水深の浅いところ、メバチは少し深いところという具合に棲み分けています。

 これを地図で表してみます。かなり大雑把でズレもありますが、まずおおよその分布域である「地中海を除く北緯40 度から南緯40度まで」を赤い丸で囲みました。

 これを見ると、こんな広い範囲を泳いでいるのだから、いくら赤道付近で獲れたマグロと言われても、日本の汚染地域を泳いで赤道に戻ったものかもしれない、と心配になってきますよね。

 しかし、キハダマグロの回遊ルートははっきりとわからないものの、どうも回遊「範囲」というのは狭いようです。つまり、1匹のマグロがこの赤枠の中すべてを行ったり来たりするのではなく、例えば太平洋の東部と中西部間では移動はほとんどなく、一定の範囲を回遊しているようです。

 回遊範囲が狭いとされる根拠の1つにキハダマグロの赤身の色もあります。キハダマグロの赤身は他のマグロのように赤ではなく、ピンク色です。これは運動量が少ない、つまり回遊範囲が狭いからだろう、ということなのです。

 この回遊範囲の狭さと漁場を反映したのが黄色い丸(メバチとキハダ両方に当てはまります)です。1年中ここにいるわけではなく、ある季節だけ、という範囲もあります。
 この黄色い丸は回遊域として示されていますが、漁場ともだいたい重なるので、おそらくこの黄色の丸をもう少し広くした範囲を回遊しており、そして主な漁場がこの黄色の範囲にあるのではないかと思われます。
 ピンクの丸はメバチのみとされる範囲ですが、一応入れておきました。

 日本のツナ缶、タイ産のツナ缶などに使われるマグロは、上記の地図でいえば、オーストラリアの両隣の2つの黄色い丸のあたり、そしてフィリピン沖などで獲れたものが多いようです。

 これらのマグロが日本まで来ていたかが気になるところですが、前述のように回遊範囲が狭いことを考えれば、日本までの大回遊はしないようにも思えます(あくまでも想像ですが)。したがって、それが許容範囲かどうかで判断するしかありません。ただ、日本近海で獲りま した、というものよりは安心だとは思います。

 一方、まず日本近海には来ていないな、と思えるのは大西洋のマグロです。地図で言うと右側の4つの黄色い丸です。あとはインド洋ですね。

 このサイトでもいくつか大西洋のキハダマグロのツナ缶を紹介しましたが、主にイタリア、スペイン、ポルトガルなどの高級ツナでオリーブオイル漬けが多いので、日常使いはあまりできないかもしれません。

 以上から、安全性と価格面、入手しやすさすべてで完璧、というものはなさそうですが、回遊範囲の狭さを考えれば、選択肢は広がるのではないかと思います。

 ここで、以前にも何度か取り上げているものもありますが、いくつかキハダマグロのツナ缶(海外製造のもの)を紹介しておきます。

■いなば ライトツナフレーク
 赤道付近で獲れたキハダマグロを使用しているそうです。
 いなば食品には色々なツナ缶がありますが、このライトツナフレークはタイ産です。

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価格:468円(税込、送料別)

■カッリポ社 トンノ(ツナ) オリーブオイル漬け イタリア産
 太平洋およびインド洋で獲れたキハダマグロを使用。

■プロント・フレスコ トンノ・アロリオ・ドリーヴァ  620g缶 イタリア産
 この商品の説明欄には
 「地中海産キハダマクロのフィレをオリーブオイル漬けにしたもの」
 とあるのですが、地中海にはキハダはいないので、おそらく
 大西洋のキハダで水揚げが地中海ということだと思われます。

 やはり、海外のツナはオリーブオイル漬けが多いようです。また、最後のツナは620gもあるとはいえ、少々値段は高めですかね。ただ、写真を見るとツナのかたまりがタップリという感じで重厚感がありますね。

 では、今回はこの辺で。次回はビンナガマグロです。

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※このサイトでは放射能で汚染されにくいと思われる食品を紹介していますが、その完全性を保証するものではありません。また、価格の安さも考慮していますが、最安値を保証するものではありません。