今回は、さまざまな調味料、お菓子、インスタントラーメンなどに多用されている化学調味料・うま味調味料を取り上げます。
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化学調味料というのは、一昔前まで(今も?)、「化学的に合成された調味料」の意味で使われていた言葉です。定義や一般名称ということではなく、通称です。
ただ、「化学」とつくことから、身体に悪そうなイメージが持たれてしまっているので、現在ではメーカーや業界団体などは「うま味調味料」という通称を使っています。
さて、化学的に合成されるといっても、原材料は主に東南アジア産のサトウキビやタピオカ(生産国によってとうもろこしやテンサイ(サトウダイコン)など原料が変わる)です。
これらを発酵させて、昆布、鰹節や煮干、肉類、しいたけなどの「うま味」成分だけを抽出・合成したものが、いわゆる化学・うま味調味料というわけです。
最もよく知られている化学・うま味調味料は、食品添加物の分類基準で分けると、アミノ酸系、核酸系の2つでしょう。
・アミノ酸系
L-グルタミン酸ナトリウム→昆布のうま味成分
原材料:サトウキビ、タピオカ、とうもろこしなど
・核酸系
5′-イノシン酸二ナトリウム→かつお節、煮干、肉のうま味成分
原材料:タピオカ、とうもろこしなど
これらの調味料の代表的なメーカは味の素ですが、具体的に商品名を挙げると下記のようになります。
■「味の素」(製造:川崎工場)
アミノ酸系:核酸系=97.5:2.5 で配合
■「ハイミー」(製造:九州工場(佐賀))
アミノ酸系:核酸系=92:8 で配合
味の素より、鰹や煮干、肉のうま味成分が強め。
※キリン協和フーズ製造の「いの一番」も同じ配合
■参考「アジシオ」(製造:岡山)
こちらは、アミノ酸系調味料のグルタミン酸ナトリウムが配合された塩です。
さて、参考までに書いておきますと、加工食品(だし、めんつゆ、カレールー等々)におけるこれらの調味料の食品表示は、
・アミノ酸系調味料のみ使用→「調味料(アミノ酸)」
・核酸系調味料のみ使用→「調味料(核酸)」
・複数使用→「調味料(アミノ酸等)」:主の調味料がアミノ酸の場合
となります。
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