今回は、参考として和風・中華系のだしやスープの素の「原材料」についてまとめてみました。
和風・中華だしだけでなく、コンソメ、各種つゆ、カレーのルー、スープなどは、当然ながら魚・肉のだしがそのまま使われているわけではなく、それらのエキスや人工的な調味料、調整成分などさまざまな材料が含まれています。
したがって、すべての材料とその産地を細かく把握するのは難しいため、産地を調べるなら、主な原料(かつお・昆布・鶏肉・豚肉など)の産地をチェックするくらいが現実的です。
ただ、そもそも、これらの製品に使われているエキスや人工的な調味料、聞きなれない成分等々は一体何なのか、何でできているのか疑問に感じている人も多いかと思います。
ということで、これらは一体何なのか、そしてそれらの原料は一般的に何なのか、ということをまとめてみました。
化学的に生成された調味料(いわゆる化学調味料・うま味調味料などといわれるもの)の使用が気になる方なども参考にしてください。
まず、これらの調味料によく使われている原材料を分類してみます。
■魚介類・肉類などの「だし」の部分 【○○エキス・○○粉末など】
これはとてもわかりやすく、素材の名前が入っています。
まれに「鶏肉」のように素材名がそのまま書かれているものがありますが、
通常は「エキス」「粉末」とついています。
和風だしの場合は「風味原料(○○エキス、××エキス)」といった表記も多いです。
【例】かつおぶし粉末、かつおエキス、チキンエキス、ポークエキスパウダー
<原材料と製法>
これらエキスの原材料はかつおや鶏肉などの素材を使いますが、
煮出して風味やうま味を取り出す抽出するタイプと
酵素でたん白質を分解して、たん白質を構成する最小単位である「アミノ酸」に
より近いレベルに分解するタイプがあります(酵素分解といいます)。
だいたい想像がつくと思いますが、煮出すほうが自然に近い状態で成分が
残っており、酵素分解したタイプはうま味や風味をかなり直接的に感じます。
これらの素材系エキス(とここで呼ぶだけで一般名称ではありません)は、
どちらの製法で作っても、食品添加物の扱いではなく、食品扱いになります
■塩・糖類 【食塩・砂糖・ぶどう糖など】
これはわかりやすいので、特に説明は不要だと思いますが、
甘みを加える調味料について言うと、
「砂糖」よりも「ぶどう糖」「糖類(ぶどう糖、砂糖)」などが多いようです。
後述しますが、「糖類(乳糖、砂糖)」と糖類でひとくくりに「乳糖」が入っている
場合がありますが、この乳糖は成形(形を丸くする)ための成分です。
■たんぱく質を分解して「うま味成分」を抽出・生成した調味料
【アミノ酸(等)、たん白加水分解物、酵母エキス】
アミノ酸、アミノ酸等は聞きなれている調味料かもしれませんが、
たん白加水分解物、酵母エキスは何なのか気になる方も多いと思います。
ザックリいうと、どれも魚や肉のうま味成分を取り出したものという点で共通です。
これがだしの味として「ガツン!」とくるわけです。
<原材料と製法> 食品添加物か食品かは( )内をご覧ください。
(1)アミノ酸(食品添加物扱い)
サトウキビやタピオカ、とうもろこしなどを原料として、その糖・糖蜜に
発酵菌を加え、その発酵菌にアミノ酸を生産させる発酵法で製造します。
→うま味調味料・化学調味料のページもご参考ください
(2)たん白加水分解物(食品扱い)
肉や大豆などの動物性、植物性たん白質を
・酸で分解
・酵素で分解
・煮出す
などしてアミノ酸を取り出します。この3種類の中では、
酸(塩酸)で分解するものが一般的だそうです。
(3)酵母エキス(食品扱い)
ビール酵母やパン酵母などをアミノ酸やペプチド(アミノ酸が2個以上結合したもの)
に分解したものです。
主に、酵母自身が持つ酵素で分解させる方法と、
乾燥させた酵母に酵素を加えて分解する方法があります。
■食感をよくしたり、形を整えたり、固形化・顆粒化、粘土調整をする成分
【乳糖・デキストリン・でん粉・加工でん粉・増粘多糖類・ゼラチンなど】
おそらくこれらも一体何なのか不思議に思っている人が多い原料だと思います。
粉末だしがサラサラの顆粒だったり、粒の形が均一だったり、というのは
これらの原料がその働きをしているためです。
<原材料>
・乳糖→生乳
・でん粉、加工でん粉、デキストリン→とうもろこし、じゃがいも、さつまいもなど
・増粘多糖類→
寒天・ゼラチン、かんきつ類や リンゴ、海藻類、マメ類、樹液、とうもろこしなど
■その他 【香料、ph調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)】